「JIS T8103 静電気帯電防止靴」の規格が2010年5月25日付けで改正されました。
主な改正内容はこちらの6つ。改正により表記も細分化され大きく変更されました。
@ 人工皮革製もJIS表示可能に
人工皮革製静電安全靴が「静電保護靴」としてJISマーク表示可能となりました。
※海外製製品を除く
G3595静電、ES890eco、SCR1200 など
A 防爆の危険度区分が明確に
防爆の危険度により「特種静電靴」と「一般静電靴」に区分されました。
特種静電靴:RT712静電・RT910静電など
一般静電靴:G3210静電・CF210静電など、現行の静電安全靴
B 導電靴がJIS化されました
導電靴についての規格が追加されました。
C 静電靴チェッカーの推奨
使用者が実施する点検について、静電靴チェッカーによる測定が推奨されました。
D 使用用途が明確に
「防爆用途」と「電子デバイスの破壊防止用途」が明確に区分されました。
E IEC規格・環境区分が追加
電気の国際規格IEC規格の内容が取り入られて、環境区分が追加されました。
C1・・・23±2℃・12±3%
C2・・・23±2℃・25±3%
C3・・・23±2℃・50±5%
静電靴の区分でクラス1、2、3という区分があり、試験時の湿度が違います。
今回の改訂では、靴の試験条件(温度及び湿度)に応じて三つの環境区分が設けられました。
具体的には常温(23±2℃)において、クラス1:湿度12%以上、クラス2:湿度25%以上、クラス3:湿度50%以上となります。
このような区分は靴底の電気抵抗が湿度依存性(湿度が低くなるほど抵抗が大きくなる)を持つことを考慮して設定しました。
なお、このクラス区分は、半導体製造工場のように厳格な温湿度管理が要求される場所で電子デバイス(半導体部品等)を静電気障害からの保護する場合には問題となりますが、特に温湿度の管理を行っていない一般の工場において爆発・火災の防止(防爆)を目的とする場合は、どのクラスの静電靴を使用しても問題はありません。