現在、日本には111もの活火山があり、そのうち50は常時観測火山として気象庁が24時間監視しています。いつ起きてもおかしくない大規模噴火に備え、想定しておきたいことは広範囲におよぶ火山灰の深刻な被害です。
火山から遠く離れた都市部でも、降灰から身体を守り、建物への被害を防ぐ対策が必要となります。
今から約300年前、1707年に起きた富士山の「宝永噴火」では、16日間にわたり降灰が継続し、総噴出量約17億uの火山灰が堆積しました。当時と同程度の条件で噴火が起きた場合、首都圏でも2p程の火山灰が堆積し、健康やインフラへの影響が予想されています。
火山灰はただの「灰」ではありません。
火山灰はタバコの灰のような燃えカスではありません。マグマが細かく引きちぎられてできた鉱物結晶片で、ガラス破片のように尖っています。とても粒子が細かいうえ、火山ガス成分が場合も多く、健康被害を引き起こす可能性があります。
火山灰は濡れると重くなり、詰まります。
降灰後に雨が降ると火山灰は水を含んで重くなり、屋根などに大きな負荷がかかります。また、湿潤状態では粘土状に変化して雨どいや排水溝を詰まらせます。また、空振※による被害は火山から10km以上離れた場所で起こることもあります。※空振:爆発的噴火に伴って発生する空気の強い振動。
微量でも電気系統や水質に影響します。