
教えて!防災士 防災士Q&A
防災特集TOPへ戻る防災用品をあつかうミドリ安全には、防災士の資格を持った社員がおります。防災意識啓発のために、日々現場で活躍されている防災士の方に、これからおこりうる地震などの災害に備えて、私たちが知っておくべきことや何を準備しておけばいいのかを伺いました。
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2003年に阪神・淡路大震災の経験から、災害時にコミュニティで助け合えるように地域のリーダーを育成しようという趣旨で始まりました。
自助と共助、協働を原則とし、社会の様々な場で減災と防災力を高めることを目的に、特定非営利活動法人日本防災士機構が、防災の意識・知識・技能をもっていると認め、認証した人です。私は2006年に取得しました。
東日本大震災の1か月後ですが、岩手県盛岡地区、石巻地区に行かせていただきました。また、岩手県庁にお邪魔して当時の状況と1か月後の現状を伺いました。
携帯電話の充電や懐中電灯の機能がある「多機能ラジオ」は、1日〜2日ならいいのですが、被災期間が長期になった場合、手回しで毎日回すのは大変との声をいただきました。 長期の避難生活に備え、電池併用タイプの多機能ラジオか、多機能ラジオとは別に電池を備蓄しておいた方が良いという事でした。
また、被災地では津波等による瓦礫のホコリがとても多く、車が通るたびに舞い上がってしまうためマスクは必需品でした。簡易トイレ袋を準備・設置した企業などでは、特に女性に戸惑いがあったようで、使用を避ける傾向が見受けられたと聞きました。
ようやく、瓦礫の片づけが始まり場所によっては仮設住宅を建てるために整地が始まっていました。避難所では共同生活ですのでプライベートもほぼない状況でストレスがたまっている様子もありました。まだ上下水道は復旧していませんし、ごみの収集もされていない状況でした。
国が策定した首都直下地震の被害想定でも、電気、上下水道、通信などのライフラインの復旧には最短で約40日かかるとされています。長期間にわたりご自宅や企業でゴミがたまっていく事が想定され、臭いや衛生管理も大変です。
※清水防災士が撮影した、被災地のゴミの写真や瓦礫の写真
「3日分の備蓄を」の根拠は、阪神・淡路大震災で救援物資が行き渡り始めたのに3日かかったということから自分たちで必要なものは自分自身で備えておかなければ公助はすぐには期待できないということから始まっています。大災害が発生した時に、その被害の規模が大きいほど公的な支援の到着が遅れるという現実に対応するために、今は7日分の備蓄に努めるべきだとも言われています。
しかし、簡単に3日、7日と言っても都心のオフィスビルの場合、1つのビルで数百人〜数千人の方が在館していることが考えられます。その場合、3日分をどこに備蓄するの?というスペースが足りないという問題が考えられます。そこでミドリ安全では省スペースで備蓄できる商品をラインナップしています。また食べれば当然ですが人は排泄をします。仮に1人が1日5回排泄した場合3日で便袋は15個、その他にも食事後のゴミなどでみるみるうちにゴミが増えます。臭いや衛生上の問題、感染症などの2次災害が起こる可能性もあります。備蓄品では水や食料にばかり注目してしまいがちですが、避難生活のトイレ問題も重点においておくべきです。
首都直下地震(都心南部直下地震)によるライフライン被害想定※ | ||
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帰宅困難者の発生 | 約940万人 | |
エレベーター閉じ込め台数 | 約3万100台 | |
【電力】 | 支障数 約1,220万人 | 復旧日数 約30日 |
【通信】 | 支障数 約468万7千人 | 復旧日数 約30日 |
【ガス】 | 支障数 約158万7千人 | 復旧日数 約42日 |
【上水道】 | 支障数 約1,444万人 | 復旧日数 約30日 |
【下水道】 | 支障数 約149万9千人 | 復旧日数 約30日 |
※出典:内閣府 平成25年12月 首都直下型地震の被害想定と対策について(最終報告)
試算条件:帰宅困難者数=平日の12時に地震が発生し、公共機関が全域的に停止した時の東京都における人数。
それ以外は、火災における被害が最大になるケースとして冬の夕方、風速毎秒8mの場合を想定。M7.3の場合。
災害直後の食料は、簡易的な手間をかけずにすぐに食べられるものが便利ですが、被災から1週間経つと少し調理してでも味のバリエーションのあるもの、甘いものや野菜を含んだもの、高カロリーなものなど嗜好性のあるものが欲しくなっていくようです。
また、ライフラインが断絶していると歯を磨く、顔を洗うなどの普段の生活と同じことができない環境になることを考慮して準備をしたほうがいいですね。
震災直後〜1週間程度 | |
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飲料水 | 断水後すぐに必要。何が無くても生きるために水は必要 |
食料 | 直後はすぐに食べれる保存食や非常食(パン、ビスケット等) |
簡易トイレ | 組立便座、便袋タイプを使用 |
毛布 | 避難所での寒さ対策 |
LEDランタン | 停電時の明かり確保 |
ブルーシート | 窓ガラス、屋根破損の臨時修復用として活躍 |
1週間〜1か月程度 | |
---|---|
LEDライト/ランタン | 停電時の照明用として使用 |
発電機・電池 | 電力確保のため(照明、パソコン、電化製品) |
衛生用品(身体拭き用)、歯ブラシ、シャンプー | 断水による衛生対策として需要拡大 |
洗剤(手洗い、洗濯、食器) | 生活用品を洗うために |
洋服・肌着・靴下・シューズ | 生活するために必要な商品 |
ヘルメット | 救助活動等で頭部保護用として使用 |
※清水さんが東日本大震災の被災地訪問後にまとめられた表です。
防災対策をやらなければならないけど、何を備蓄したら良いのかわからないという状況から、努力義務ではありますが条例として施行されたことで企業の意識はより高まったと思います。
とはいっても施行から1年経過した実態調査では3日分以上の備蓄をしている事業所の割合は、「飲料水」が49.8%「食料品」は49.1%と半分以下に留まっているそうです。また備蓄はないという事業所は「飲料水」で18.1%、「食料品」では23.1%もありました。※
逆に言うと、ご自身が勤務されている企業やお子様の通われている教育機関の備蓄状況を把握されている方がどのくらいいらっしゃるでしょうか?
※出典:東京都総務局 平成26年5月「東京都内事業所の帰宅困難者対策実態調査について」
平成23年3月11日の東日本大震災では、鉄道等の運行停止により、多くの帰宅困難者が発生し、駅周辺や道路が大変混雑しました。首都直下地震等大規模災害が発生し、鉄道等の公共交通機関が当分の間、復旧の見通しがない中、多くの人が帰宅を開始しようとすれば、火災や建物倒壊等により、自ら危険にさらされるだけでなく、発災後に優先して実施しなければならない救助・救援活動等に支障が生じる可能性があります。こうしたことから都は、「自助」、「共助」、「公助」の考え方に基づき、帰宅困難者対策を総合的に推進する条例を平成24年3月に制定し、平成25年4月から施行しています。
▼参照URL
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/kitaku_portal/1000050/1000536.html
▼概要PDF
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/000/536/jyoureirihu.pdf
東京都制定の「帰宅困難者対策条例」を知っている企業は半数未満との結果が・・・
▼詳しくは、ミドリ安全ドットコムプレスリリース
https://ec.midori-anzen.com/img/event/3/press2014/20140307_press.pdf
また、調査結果では 「会社から自宅までの徒歩による帰宅ルート」を「把握していない」人が32.7%、
靴を履いていてもクギやガラスを踏むことで怪我をしてしまう「踏抜き」を知らなかった人は56.3%となりました。
▼ 靴に入れるだけで「踏抜き」を防止できる「踏抜き防止インソール」はこちらから
https://ec.midori-anzen.com/shop/e/ea217_001
まず、ご家庭でしたら、家具の転倒・落下対策はとても大切です。
昼間に地震が起こった場合、奥様が台所にいる可能性が大きく、70〜80キロ以上ある冷蔵庫に挟まれてしまうということも考えられます。阪神・淡路大震災では、家具類の転倒による圧迫死が全体の死亡原因の88%もありました。※備蓄も大切ですが、それを活かすためにはまず命を守ることです。被害は事前対策で着実に減少することができます。
次に、生き延びた後の「灯りがない」「水、電気、ガスがない」「トイレがない」というライフラインの供給停止を想定しての備蓄が必要です。
最低3日分の家族の人数分の食料と飲料水や簡易トイレ、衛生用品など生活のために最低必要なものを揃えておきましょう。
※出典:平成7年度版 警視庁「警察白書」より
やはり頭部を守ることは大切ですよね。
上から落ちてきたものから頭を保護する為にも、できれば防災ヘルメットを身近に備えておくことですが、何も無い場合は、すぐ身近にある雑誌などで頭部を保護することを優先してください。
防災頭巾を準備する際は、(財)日本防炎協会の認定を受けているものなどを選んだ方がいいですね。
災害に関しては日本国内のどこで起こってもおかしくないです。絶対起こらないとは言えません。首都圏直下型地震や南海トラフ地震の場合、30年以内に70%の確率で起こると言われています。※
もちろん、防災備蓄品など使わないにこしたことはないです。
しかし、使わないから無駄になったということではなく、「価値ある無駄」と思うことです。結果として「必要なかった」ならばそれは喜ばしいことですし、
万が一「必要となった」場合には、確実に災害後の私たちの苦労を軽減してくれます。
※出典:平成25年5月 南海トラフ地震 地震調査研究推進本部地震調査委員会 最終報告
平成25年12月 首都圏直下型地震 内閣府首都直下地震対策検討ワーキンググループ 最終報告
大きな災害の直後はみなさんも意識が高いのですが、だんだん時間が経つと風化してしまい意識が薄くなりがちです。備蓄したら終わりではなく、9月1日の防災の日や大災害を経験した節目に、災害対策について思い出し、使用期限や賞味期限等のチェックをすることが重要です。
また、普段から通勤途中に被災したらどうするのか?
など様々な想定をして笛などを身に着けておくなど、常に頭の片隅で意識しておくことは大切です。